เข้าสู่ระบบいつもの柚希との会議で友華さんについて説明した。
友華さんが俺に好意を持っているかもしれないという事を除いて。「さっすがお兄ちゃん! 天然ジゴロは健在だね!」
「そんな物になった覚えはない!」「でも友華さんはきっとお兄ちゃんの事好きだよ?」「どうしてそう思うんだ?」「昔のお兄ちゃんに似てるから」やっぱり柚希には見破られたか。
だが俺の考えは変わらない。 友華さんの初恋をちゃんとした物にしたいのだ。「俺は友華さんにはちゃんとした初恋をして欲しいと思ってる」
「逆に聞くけど、ちゃんとした初恋って何?」「それは……」「結局お兄ちゃんは水瀬先輩の時みたいに逃げてるんじゃないの?」「……」 その後も色々言われて会議は終了した。柚希に言われ何も言えなかった。
俺自身ちゃんとした初恋が何なのか分からない。公園から家に着くまで色々な事を考えた。 私はどうして友也さんにあんな事をしてしまったんだろう。 跨って胸をはだけさせて……これじゃ引かれてもおかしくない。 でも友也さんはそんな私の話を真剣に聞いてくれた。 そしてキチンと答えを出してくれた。 やっぱり友也さんは今まで知り合った男達とは違う。 もっと友也さんの事を知りたい。 もっと友也さんの近くに居たい。 だから私は柚希ちゃんの計画に乗る事にした。「ただいま~」 家に着き、とりあえずお風呂に入って気持ちを落ち着かせたかった。 初めて振られたショックはかなり精神的にきていた。「あ、沙月、おかえりなさい」 お風呂上がりのお姉ちゃんとすれ違う。 相変わらず家族相手にもオドオドしていて腹が立つ お姉ちゃんを無視してお風呂に行こうとすると、珍しくお姉ちゃんに呼び止められた。 正直今はソッとしておいて欲しい。「沙月、何かあったの?」「別に」「別にって、だったらどうして泣いてるの?」 えっ? 泣いてる? 頬に触れてみると、確かに涙が流れていた。 まさか私が振られた程度で泣くなんて思ってもみなかった。「もしかして友也くんと何かあった?」 どうしてこういう時だけ鋭いのだろう。 そんな所にも腹が立つ。「友也さんに告白してフラれちゃった……はは、今までの罰が当たったのかな」 私がそう言うとお姉ちゃんは驚いた表情をした後、私を抱きしめた。「ちょ、お姉ちゃんどうしたの? 離してよ」 私が少しの抵抗を見せると、抱き締める力を強めて「沙月にも本気で好きな人が出来たんだね」 そう言ってお姉ちゃんも泣き始めた。「どうしてお姉ちゃんが泣くのよ」「ずっと心配し
沙月の顔がどんどん近づいてくる。 女の子特有の甘い匂いが鼻孔を通り脳を刺激する。 もう吐息が掛かる距離まで近づいてきている。 沙月のプルッとした唇が開き「友也さん……付き合ってください」 熱を帯びたその言葉で我に返る。 雰囲気に流されちゃダメだ!「沙月! やめろ!」 沙月の両肩を掴み突き放す。 しかし、突き放した事ではだけたブラウスから覗く程良い大きさの胸が露わになる。「あん、友也さんのえっち……」「わ、わざとじゃないんだ! 早くどけてくれ!」 沙月ははだけた胸を隠そうともせずに「なら答えてください、私と付き合ってくれますか?」 潤んだ瞳に熱の籠った視線。 つい見惚れてしまいそうになるが「ごめん、沙月とは付き合えない」「どうしてもですか?」「……ああ」 俺の返事を聞き、俯く。 めぐの時に感じた痛みをまた感じている。 だけど、この痛みから逃げる訳にはいかない。 しばらく俯いていた沙月はおもむろに空を見上げ「はぁ~っ」と息を吐いた後「此処までして落ちないなんて初めてですよ」 と言いながら俺の上から降りる。 続けてブラウスのボタンを留めながら「やっぱり友也さんは今までの男達とは違いますね」 と言う。 言っている意味が分からない。「どういう事だ?」 俺の問に沙月は薄い笑みを浮かべながら「私って、男を自分の虜にするのが快感だったんですよね。それで色々な手を使って男達を落としてきました。皆私をお姫様みたいに扱ってくれるんですよ」 それでバイトの先輩から聞いた噂が流れたのか。「それじゃあ今まで俺を落とす為に色々やってきたって事か」「まぁ、そうですね。でもそれは最初だけです」
22時にバイトが終わり、着替えを済ませ事務所の外で沙月を待つ。 沙月とは何回も一緒に帰っているが、今日はなんだかドキドキする。 バイト中に見せた沙月の意外な一面が原因だろう。 それに耳元で囁いた時の沙月は妙に艶っぽかった。 そんな事を考えながら待っていると、着替えを済ませた沙月が事務所から出てきた。「ごめんない、おまたせしました~」「大丈夫だ、んじゃ帰るか」 といつも通りに帰ろうとすると沙月が「今日はこっちから帰りませんか?」 と言われた。「別に構わないけど、こっちは余り街灯が無いから離れるなよ」「はーい。それじゃあ離れない様に手を握っておきますね」 と言って手を握ってきた。「手を握る必要はないだろ?」「私と手を握るの嫌ですか?」「嫌じゃないけど……」「ならいいじゃないですか」 と言って手を握り直す。 指を絡めた、所謂恋人繋ぎだ。 こんな事今までしてこなかったのに今日の沙月はどうしてしまったのだろう。 しかもそんな沙月にドキドキしている自分がいる。 あまり沙月を意識しない様に歩いていると、握っている手をキュッキュッと握って来た。 お返しに俺もキュッキュッと握ると、またキュッキュッと握って来る。 何だこれは? 凄く恥ずかしい。「さっきからなんなんだよ」「えー、スキンシップじゃないですか~」「そういうのはいいからもうやるなよ」「でも友也さんも握り返してきてくれたじゃないですか~」「それは……やられたからやり返しただけだよ」 言ってプイッと顔を背ける。 「友也さんって可愛いですね~」「うっせー!」「ふふふ」 そんなやり取りをしながら歩いていると、人気のない公園の前に差しかかった。 公園と言うには遊具が無く、街灯一つとベンチが置
パンケーキ屋で昼食を摂り、今はショッピングモール内をウロウロしている。 パンケーキ屋では柚希と沙月がこれでもかと言うほど可愛かった。 パンケーキを見て喜ぶ顔や一口サイズに切って口に運ぶ動作、口に入れてからのリアクション。これら全てが可愛いで出来ていた。 柚希達の言っていた事はこれだったのかと戦慄させられた。 友華さんも控えめながら幸せそうに食べていて、見ているこっちも幸せになれた。 しかしここでもアイスココアを頼む辺り、かなり好きなんだなと思わせた。 そんな昼食を終え皆でブラブラしていると、俺達に視線が集まっている事に気づく。 前から歩いてくる人は勿論、店頭でショッピングしている人でさえこちらを振り返って見ている。 何かおかしな所でもあるのかと考え、柚希に尋ねようとすると「♪~♪~」 物凄い笑顔で鼻歌を歌いながら歩いていた。 柚希がこんなに機嫌がいいなんて絶対に何かある! そう思い自分の身だしなみ等をチェックするがどこもおかしなところは無い。 沙月や友華さんを見ても相変わらずの美少女だ。 いや、待て。そうか! 柚希はこの四人で居る事に優越感を感じているのだ。 傍から見ればイケメンが美少女三人を連れている様に見えているに違いない。 俺達に対する羨望の眼差しを受けて柚希の欲求が満たされているのだろう。 そんな事を考えていると「そうだ! お兄ちゃんの服選んであげるよ」 と言ってきた。 声のボリュームも少し大きい気がする。「じゃあ私はお姉ちゃんに選んであげる」 沙月も柚希に乗っかり、友華さんの服を選ぶと言い出した。 それに対して友華さんは「い、いいよ~、私より自分の服買いなよ~」 と手をブンブン振りながら断っているが「いいからいいから、私に任せて」 と強引に連れて行かれた。 そんな二人を見送った後、柚希が「じゃあ私達も
「これからどうする? 何処か行きたい場所とかあるか?」 と既に仲良さそうに話している柚希と沙月に問いかける。 すると沙月が「ハイ! 文化祭の出し物の材料買いたいんですけどいいですか?」 と何故か挙手しながら言う。 それに続いて柚希が「ハイ! ショッピングモール行きたいです」 と柚希も挙手しながら言う。 すると沙月がそれに食いつく。「私見たい服あったんだ~。あの雑誌に載ってたヤツ見た?」「見た見た! カワイイよね~」 と既にショッピングモールに行く気満々だ。 しかし友華さんの意見も聞かないとな。「友華さんは何処か行きたい所ありますか?」「わ、私もショッピングモールで大丈夫です」 という訳で、皆でショッピングモールに行く事になった。 ショッピングモールに着くなり、柚希と沙月が二人して服が見たいから別行動しようと提案してきた。 俺は別に構わなかったが、何のために四人で来たのか分からない。「それじゃあ、こっちの買い物が済みましたら連絡しますね」 と沙月が言い、二人並んで消えて行った。「えっと、どうしましょうか?」「わ、私は佐藤君に任せます」 ん~、何処に行くのがベストなのだろう。 それにこの人混みだと友華さんがはぐれそうだ。 そこまで考えて、今まで忘れていた事に気づく。 友華さんと連絡先交換していなかった。「あの、迷惑じゃなければ連絡先交換しませんか? 万が一はぐれたら大変なので」「あ、は、はい! 全然迷惑なんかじゃないです! LINEで大丈夫ですか?」「はい、大丈夫です。コードを見せて貰えれば読み取ります」「わ、分かりました。少し待ってくださいね」 と慌ただしくスマホを取り出して操作している。 結論から言うと、IDを見せてうち込んで貰った。 コードを見せて貰い、読み取ろうとしたのだが、友華さんの手が震えて
沙月が戻ってきて店員を呼ぶ。 どうやらおすすめスイーツを注文したようだ。「友也さんは何か食べますか?」 と聞かれ、時計を確認すると既に昼を少し過ぎていた。 今から帰って食べるのもなんなので俺も注文する事にした。「じゃあ俺はチーズチリドッグ一つお願いします」 注文を終え、アイスコーヒーを飲んでいると「友也さん、一つだけ聞いていいですか?」 と、珍しく真面目な顔で聞いてくる。「なに?」「本当はどうして変わろうとしたんですか?」 突然の核心を突いた質問にむせそうになるが堪える。「彼女が欲しかったからって聞いたんだろ」「はい。でもそれは嘘だと思うんですよ」「どうして?」「それはですね……」 少し溜めを作って「根暗な人が此処まで変わろうとするなんて生半可な気持ちじゃ出来ないと思うんですよ」「確かにな、俺もそれまでは変わろうなんて考えなかった」「お姉ちゃんは友也さんが好きで変わろうとしてます。友也さんも本当は好きな人の為に変わったんじゃないですか?」 なるほど、友華さんが変わる理由が恋なら、俺も恋で変わったと思ったのか。 どう答えるべきなのだろうか。 変わろうとしたのは柚希の為だ。 例え好きな人の為に変わったと言っても誰を好きだったか聞かれるだろう。 ここは楓の為と答えておくべきか? 楓なら口裏を合わせてくれるだろう。 と考えていたら「新島楓って人じゃないですよね」 と先に釘を刺された。「どうして楓じゃないって言いきれるんだ?」「お姉ちゃんから聞きましたが、その人は学校一の美人なんですよね?」「まぁ、そうだな」「だからです。根暗でいつも一人でいる人がそんな眩しい存在を好きになるのはありえません」「キッパリ言うな」「お姉ちゃんを見てきたので分かります」